南スーダン
世界で最も新しい国という言葉に惹かれ、南スーダンについて探究しました。その中で、南スーダンの情報を得るのに苦労した経験から情報収集サイトを作りました。たくさんの方に南スーダンの現状を知っていただき、支援の輪が広がると幸いです。
南スーダンを知ろう!
南スーダン基礎情報🇸🇸
「独立までの道のり」
南スーダン共和国は2011年7月に「世界で最も新しい国」として、隣国スーダン共和国から独立を果たしました。南北スーダンは1899年より、英国とエジプトの共同統治の元に置かれていました。北部スーダンではアラブ系のイスラム教徒が多く、南部スーダンでは黒人のキリスト教徒が多く暮らしており、南北は分断統治されていました。1956年に北部が南北スーダンの政治や経済などの実権を握ったことから、南部が反乱を起こし、第1次スーダン内戦に発展しました。1972年に争いは一時終結したものの、北部がイスラム主義による統治を開始したことで、キリスト教徒が多く存在する南部の反発を招き、第2次スーダン内戦が始まりました。2005年に南北包括合意が成立し、住民投票で有権者の「南部出身の人物」の約98%が独立に賛成しました。独立を実現させた南スーダンはアフリカの歴史では初めて植民地支配時代に引かれた国境線ではなく、アフリカの住民同士が決めた国境線を持っています。
「建国後」
南スーダンの人々は独立により自由を手に入れることができると希望に満ち溢れていましたが、現実はそうではありませんでした。独立からわずか2年後の2013年と2016年にディンカ族のキール大統領派とヌエル族のマシャール前副大統領派の対立により、紛争が勃発し多くの国民が犠牲となり難民が大量に発生しました。2018年に恒久的停戦を含むハルツーム宣言が採択されました。しかし、再び2022年に散発的な紛争が起きました。現在は、軍同士の戦闘は見られなくなりましたが、部族間の衝突は各地で発生しています。各国の支援を受け、特に首都ジュバでは治安が改善されてきていますが、殺人、強盗 、 誘拐が全土で多発しており、安易に外を出歩くことは危険な状態です。南スーダンはインフラが整備されておらず、電気や水が国民へ十分に行き届いていません。また、医療、教育、衛星環境などが劣悪で多くの国民が貧困、飢餓などさまざまな問題に直面しています。
国土:64万平方キロメートル
人口:1.507万人
(国内・外避難民や遊牧民も多く正確な人口が特定できないとされている。)
首都:ジュバ
民族:ディンカ族、ヌエル族、シルク族、ムルレ族、バリ族、他多数
言語:英語(公用語)、アラビア語、その他部族語多数
宗教:キリスト教、イスラム教、伝統宗教
出典:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/s_sudan/index.html
支援団体
南スーダンは多くの国際機関、国、各国のNGO団体の支援を受けています。その中で支援している一部の日本のNGO団体を紹介します。
No,1
国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)
南スーダンに関する主な活動:緊急人道・復興支援
URL:https://www.worldvision.jp
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、南スーダン、アッパーナイル州にて「帰還民支援」として、水・衛星・生計向上・教育支援を実施されています。また、国連等と連携事業も行っています。(WFP、UNHCR、UNICEF等)
No,2
認定NPO法人 テラ・ルネッサンス
南スーダンに関する主な活動:南スーダンからウガンダに避難した難民の支援
URL:https://www.terra-r.jp
南スーダンの難民の自立支援として、職業訓練と開業訓練を行っています。テラ・ルネサンスで支援を受け、技術を培った南スーダン人は引き続きフォローアップを受けながら編み物屋、溶接屋、建設会社などを設立し自立を果たすことができています。
No,3
特定非営利活動法人 ピースウィンズ国際人道支援
南スーダンに関する主な活動:井戸掘削やトイレの建設、難民の帰還の復興
URL:https://peace-winds.org
ピースウィンズ国際人道は、避難民キャンプや難民キャンプ、学校、医療施設、マーケットを含むコミュニティにて給水衛生施設の建設や修理、改修を行い人々の安全な水へのアクセスや衛生環境を改善しています。
南スーダンのおすすめの書物
南スーダンを身近に感じられるようになり、より詳しく現状を知ることができた書物の紹介です。
No,1
「南スーダンに平和をつくる」
著者:紀谷昌彦
出版社:ちくま新書
発行日:2019年1月
在南スーダン日本国大使を務められていた著者の方が、南スーダンの最前線で経験した貴重の体験を綴っています。特に、政治のプロセスが詳しく書かれており、南スーダンの内部の状況を把握することができました。
No,2
「スポーツを通じた平和と結束」
著者: 古川光明
出版社:佐伯印刷
発行日:2019年4月
前半では、南スーダンの人々の生活や文化が詳しく書かれており、その中で紛争が起こる原因がわかりとても興味深かったです。後半はJICAのプロジェクトヒストリーで南スーダンの民族が結束する様子が描かれています。
No,3
「紛争地のポートレート『国境なき医師団』看護師が出会った人々」
著者:白川優子
出版社:集英社
発行日:2022年4月
全て南スーダンの話ではありませんが、個人的に南スーダンに興味を持つきっかけとなった本です。紛争国の医療をリアルに感じられる一冊となっています。
No,4
「コジマ先生アフリカへ行く(南スーダン)」
旅行記(ブログ)
期間:2022年6月6日〜6月8日
著者:小島 英久
国際理解講師・フリーランスティチャーとして活動している著者が、「リアルなアフリカを届ける」という目的で旅の記録を日記のように綴られています。著者の目的通り、読んでいる時間は自分自身が南スーダンを訪れていると感じられるほど、旅の詳細が詳しく書かれています。
No,5
「世界で一番若い国 南スーダン入門」
電子書籍(アマゾンや楽天で出版)
著者:在南スーダン 日本国大使館
発行日:2024年1月
URL:https://kojimateacher-goestoafrica.com/
2022年1月から2023年2月まで、在南スーダン日本大使館のフェイスブック連載投稿と、他の関連情報を合わせて一つにまとめたものです。最新の南スーダンの貴重な情報を得られるとともに、南スーダンの詳しい情報が詳細に書かれています。
南スーダンの教育
南スーダンの多くの人々は未だ散発的に起きる紛争や貧困による児童労働が原因で学校に通えていません。そのため、識字率が50%下回っています。教育の普及が遅れているため、生きるための基礎的な知識が欠けており、病気を引き起こしてしまいます。
予定されていた南スーダンの選挙
南スーダンでは、2024年12月に独立後初の総選挙を予定されており、現在の軍事的な暫定政府から文民政権へ移行されることが期待されていました。しかし、2024年9月政府は総選挙を準備不足により、2026年まで延期すると発表しました。
南スーダンの医療
首都ジュバでは外国人向けに会員制の病院があり、地方ではNGOが運営する病院が存在します。しかし、重篤な病状の場合対応しきれないため、国外へ搬送する必要があります。また、国内の多くの道路は整備されていないため病院に通うことが困難であり多くの人が病院へアクセスできていません。
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